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「くそっ……何であいつ死なない!?」
男は地面に横たわりながら喚く。
さっきの望みはどうやら俺を殺す類いの物だったようだ。
「あいつは死ぬ。この部屋にいる男は死ぬ」
尚も戦おうとせず、勾玉に語りかける男
こいつ馬鹿だ。
まだ俺が所持している事に気付いていない。
俺はまだしゃがんでいる男の元まで走って行き、勾玉を持つ手を蹴った。
カランッ
勾玉が入り口に向かって転がっていく。
これで沙倉先輩の安全も確保出来たはずだ。
「ちっ、勾玉の力が使えないなら力づくでおまえを殺してやるよ!」
男は怒り狂った形相でこちらに突進してくる。
ヤバい!
さっきまで向こうが勾玉で反撃をしようとしてたため、俺は勝負を有利に進める事が出来ていた。
しかし、勾玉を使おうとしなくなった筋肉バカには面と向かって勝負して、勝てる気が全くしない。
俺はパンチを紙一重で何とか交わすと、敵の勾玉を拾って逃げる。
しかし男は俺を追いかけて来ずに、そのままブロンド女性の元に向かった。
「おいっ! こいつを助けて欲しければその石を俺に返してから、その窓から飛び降りろ!」
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