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収束されたそれは次第に目に見えない程の大きさになっていく。
もう俺は自転車を下りていてただそれを見守るばかりだ。
とうとう光が目に見えなくなった時、俺はまだ空に目を奪われながら、漸く言葉を零した。
「何だったんだ……? あれは……」
もう一度見たいか……と問われれば間も置かず俺は見たいと答える。
こんなに目を奪われたのは今までにない。
そう断言してもよい。
しかし――
それはまだ終わりではなかった。
目に見えなくなったと思ったそれは再び輝かしい光を帯びる。
と思ったら、7つの光は帯を成し、それぞれ分散するように移動し始めた。
1つは学校の方
1つは繁華街の方
まるで意志を持ってるかのように移動する7つの光
その内の一つ――紫色の光を点したそれは信じられないことにこちらへとやってくる。
そのスピードは弾丸の如し
何故、自分の目でそれが認識出来るか理解出来ないほどの速さである。
グングンと近づいて来る淡い紫色の光を発しているそれ。
目で何とか追えている物のこちらに来たらまず避けれない。
しかし、残酷なことにもそれはもう既にそこまで来ていた。
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