プロローグ

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熱は下がったけど、まだだるい 急に立ち上がると目眩がするし、 今日も学校は休むことになってしまった。 3月11日、中1の私・荒井紗那は、インフルエンザで学校を休んで寝ていた。 2人いる妹たちは、学校に行っていて 親はリビングでくつろいでいる。 ひとりでいる自分の部屋は、とても静かだった。 しばらくベッドに横になっていると、少しずつ眠くなってきて いつの間にか、浅い眠りについていた。 目が覚めたのは2時ごろ 何もすることがなく、ベッドの上で、ひとり、色々なことを考えた。 といっても、夢も目標もない私の考えることなんて、限られていたけど。 友達のこと、勉強のこと、好きな人のこと。 暇を少しでもつぶせるように、些細なこともいっぱい考えてた。 きっとそのとき、東北の人たちも普通の生活を送っていたんだろう。 神奈川に住む私には、わからないけど、 これからも当たり前のように普通の生活を送れると思って みんな生きていたんだと思う。 平凡な一日であるはずの3月11日が 突如壊されるだなんて、誰も想像すらしていなかった。
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