2人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
日野東高校二年生、真田 由樹。
成績そこそこ、運動抜群。
どこにでも居る普通の男子高校生。
「 由樹おはよー、今日は何枚かな♪ 」
こいつ、緒川 哉斗(おがわさいと)。
毎日うるさく迷惑なやつ。
哉斗が言ってる"何枚"とはラブレターの枚数を意味する。
ガタ、と靴入れを開けると数十枚の封筒が足元に落ちる。
そしてそれを無視して上履きに履き替える。
「 あーぁ、もったいね~ 」
隣で哉斗も笑う。
こんな毎日。
俺は迷惑。いい加減にしてほしいのだが。
そして俺を呼ぶ声がした。
「 由樹!このラブレター毎日毎日ここにおいて………、迷惑なのよ 」
あー、言われなくともこちらも迷惑ですよ。
「 処理よろしく 」
とだけ言葉を残し、階段を上がる。
「 ちょっと、由樹!!!!!! 」
俺はもう振り返らず、せっせと教室へ向かう。
最初のコメントを投稿しよう!