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ひとつひとつの行動が可愛くて仕方ない。
こんな事を、考えている俺も相当だな…と思う。
「あれ?んだよ、誰もいねーじゃねーか。」
俺と稲葉だけが部室にいる。
文化研究部のメンバーは5人。
永瀬、桐山、青木が不在か…珍しいな。
「永瀬が居ないのも珍しいな。」
俺がポツリと零した言葉に稲葉は反応する。
そう。少し前までは永瀬を好きだったからだろう。
互いに、気にかけないように努力はしていたが、二人きりの空間で永瀬の名前を出すのは些か軽率だった。
気まずい空気が流れる…。
その時、俺の携帯が鳴って確認をすると永瀬からのメール。
「伊織か?なんだって?」
稲葉。声が不機嫌だ…恐いぞ。
「<今日は、稲葉んと太一だけで部活やってね♪私と唯と青木は、不参加です>だとさ。」
永瀬…この状況を見てたんじゃないよな…
青木だけでもいいから、こっちに寄越して欲しい。
ん?初めて、青木が居て欲しいと感じたかも知れないな。
「ちっ。帰ろうぜ。あたしらだけじゃ何もする事ねーし」
「稲葉…。せっかく2人なんだし少し話してから帰ってもよくないか?というか、俺が稲葉と話したいんだが…」
おっ?顔が赤くなった。
というよりも、俺も顔が赤いと思う。恥ずかしい。
「ちっ。仕方ねーな。」
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