1話

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沢村は「おばあさまの件は非常に残念ですね。」と 失礼のないように前置きをして、 「とりあえず僕にできることはします。」沢村は健吾に 「この付近を捜索するぞ」と言い、外へ出て行った。 健吾は思ったよりもまじめな沢村に少々驚いたが、「僕も外へいってきますね。」 と言い今井家をあとにした。 健吾はまず今井家の近くの公園へ行ってみた。 休日だからなのか、子供や大人でいっぱいだった。 健吾は深呼吸を一回して聞き込みを開始した。 探偵といえばズバズバと事件を解き明かす印象があるが大抵は 猫捜索とか浮気調査ばかりである。収入はほとんどないので 日曜以外はもちろんサラリーマンとして活動している。 そしてやはり一番調査方法としてつかわれるのがこの聞き込みである。 30分後 沢村と健吾は合流し、どのような情報が入ったか、 説明をしあった。 健吾は 大量の花をもった黒猫 千葉方面の電車に乗ろうとしている黒猫 のようなものを見た人がいることが分かった、 という情報を沢村に伝えた。 沢村は そこの交差点を左にいくとパチンコ店がある そこの北斗の拳のパチンコは凄いあたる という情報を健吾に伝えた。 健吾は「あんた何してたんですか」「パチンコ」飽きれる健吾をよそに 沢村は推理をはじめた。 そして五分後… 「だいたいわかったぞ…作者の感動ものをつくろうという露骨な考えが!!! 僕の推理が正しければ黒猫は千葉へ向かった。 そして今まで集めた花をおばあさんの所へもっていくつもりなのだ!!」 健吾は珍しくそれらしいことを言う沢村に驚いた。 「それもあるかもしれませんね!!早速千葉へむかいましょう!!」 二人は電車で千葉へ向かった。 千葉へ向かう途中に今井家から電話が入った。 「黒猫帰ってきました!!隣人の猫が気に入ったみたいで毎日花をあげていて 先日から隣人の家に住みついてたみたいなんです。お騒がせしてすいませんでした」 沢村は泣きそうな顔になってこう言った。 「…結局そうなるよね」
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