夕陽の下の安楽椅子探偵

２．夢

　最初は苦労した。彼が通う学校はすでに百年近くの歴史を持っていた。学校の創立時から卒業文集が作成されていたわけでは無いようだが、それでも五十年近く前にはすでに始まっていたらしい。その頃の文集は紙もそれほど良い物では無く、またかなりの時間が経ってもいるため、少しでも手荒に扱うとすぐにばらばらになってしまいそうに思えた。そのため祐助は細心の注意を払ってそれらをパソコンに取り込んでいった。