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祐助が見る限り職員室の中には花田が一人だけだった。その花田は机に腰掛け、首だけを右に曲げ祐助の方向に向けていた。
机に座るだなんて、行儀が悪いな、祐助はふとそんな事を思ったが、その思いはおくびにも出さず、
「鍵、ここに置いておきます」
祐助が所定の位置を指さして伝えると、花田は、ああ、と応え、片手をあげる。そして、
「ずいぶんと遅かったな?」
花田が時計に視線を向けて言う。祐助もつられるようにしてそちらに目を向ける。時計の針はすでに四時を回っていた。
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