1.屋上

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 とはいえ、クラブ活動ももう終了の時刻が近づいているのだろう。それが証拠に、太陽も沈みかけていた。十一月にも入ると太陽は十七時になる前には沈んでしまう。つまり、もう少ししたら日没の時間だということだ。祐助は校庭から目を離し、廊下を左に進むと、左手に階段が見えてくる。ふと、上に向かう階段が目についた。今彼がいる五階は最上階である。この場所の上には屋上しかない、そんなことはわかりきったことであるはずなのに、祐助はなぜかその階段が無性に気になった。そして、どういうわけか、彼は初めてその階段を上ってみる気になった。
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