1.屋上

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「一般生徒は立ち入り禁止よ」  その影は、祐助にそんな言葉を投げかけた。 「君は違うの?」  あまりに唐突な声に、祐助は言葉を取り繕うこともできず、尋ねる。 「いいえ、私も違反を犯しているのよ」  その影は冗談とも本気ともつかない抑揚のない声で応えた。  祐助が屋上に足を踏み入れると、扉は大きな音を立てて、自然に閉じた。
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