1.屋上

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 祐助の言葉にも月森は表情を変えず、 「同じクラスだもの。当然知っているわ」  しかし祐助はそう応える月森が自身の知る彼女と同一人物であるとはとても思えないでいた。クラスでの彼女は、男女問わず常に周囲に多くの人間が集まり、そして、彼らは常に微笑みを絶やさないでいた。当然、その中心にいる彼女も、である。その彼女と、今彼が目にしている、感情もなく、人を遠ざけるような気配を放つ少女とが、どうにも繋がらなかった。
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