1.屋上

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 そこに何かあるのだろうか? 祐助はそんな疑問とともに、そちらに目を向ける。二メートル以上の高さのフェンス越しに見える校庭では運動部の部員達が、用具の片付けやクールダウンのための軽い運動、練習の反省会なのだろうか、円陣を組んだ状態で熱心に話し合う姿などがシルエットの状態でうっすらと確認できた。もしかして、彼女はここから誰かの様子でもうかがっていたのだろうか? それはもしかして、彼女が好意を寄せる相手? そんな下世話な憶測をする自分に祐助は驚きながら、その考えを振り払う。そんな彼の耳にふいに、 「いやだ、もう」そんな声が届いた。
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