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「やっとあんたを捨てれる日が来た」 目の前には憎悪の目で俺を見る母がいた。いや、母だった女がいた。 もう見慣れたはずの畏怖と憎悪の混ざったような眼差しは、俺の心に痛みを残す。 「もう2度とその顔みせないでちょうだい。学費なら払うから、もう関わらないで」 バタン、と閉まる扉をしばらくボーっと眺めていると、殺気を感じ後ろを振り返る。 いつもと同じ多くの視線。だが、そのどれもが俺と視線を合わそうとはしない。 いつものことだから視線を気にすることなどない。 そこら中から悪魔と聞こえる声は間違いなく俺にたいしてのものだろう。 これからどうしようか。 今日は俺の誕生日で14歳に俺はなった。学校にも行けるこの年からは、ほとんど大人と同じ扱いを受けるようになる。 だから…俺を捨てても罪に問われることはない。本当はもっと早くに捨てたかったんだろうな。 ふふっと自傷気味に笑う。 学校がすぐにでも始まればいいのだが、始まるまでにあと3ヶ月もある。 学校が始まれば寮があるから住む場所に困ることはないだろう。 だがそれまでの3ヶ月、どこで寝れば良いのかが問題だ。
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