桐谷 駿

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    助けて貰った二人に事情を話し、ここは何処か訪ねてみた。  僕が居た白い雪が積もる森は、4つの大国のうちの1つ、ウェルデンという国の近くだと教えてくれた。    当然そんなの聞いたことが無い僕は、二人に他に国がないか尋ねてみた。  しかし、馬車の主の男に衝撃的な言葉を聞く。   他に国など無い。  そもそも、陸地は1つしかなく、その陸地には国と呼べるのは4つだけだ、と言う。   一応、それぞれの国について簡単に教えてもらったが、どれも聞いたことが無く、僕個人の現実からは、大きくかけ離れた話ばかりだった。    ここの陸地… つまり今いるたった一つの大陸には、  『戦士の国』『宗教の国』『商人の国』『魔法の国』と呼ばれる国があるらしい。  宗教や商人はともかく、戦士と魔法なんかは信じられる話ではなかった。  最初聞いた時は、頭おかしいんじゃないの? と思ったが、助けた二人から見たら、おかしいのは僕だったようだ。  助けてくれた馬車の主の男性は『商人の国』出身であり、もう一人の少女は『魔法の国』の出身なため、 「変な事を解決するなら、ここが良いんじゃね?」  と、意味不明な解釈を押し付け、少女と僕を『魔法の国』に二人残し、仕事に戻っていった。  身元不明の他人の僕をなんとかしてくれたのは、少女の方だった。   彼女がよく行く喫茶店で身を置いて貰い、元の世界に戻る方法を見つけるといいと案を出してくれた。  さらに魔法がどんなものか学ぶことと、情報を得るために、この国のギルドと呼ばれる場所で身柄を登録して、ゆっくり自分の世界に戻る方法を探すといいとも言ってくれた。    一時はどうなることかと思い、感謝もしているが、これだけは言わせてくれ。  これ、何処のファンタジー?  
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