始まりの歌

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「あなたが思っているよりも、ずっとこの街は厳しいわ。 次々に脱落者がでる、嗄乃マヤもそのうち思ってくるはずよ。 真にこの街で番犬として生きていく方法を。 たとえどんなに嗄乃マヤが優秀でも、自分の思い通りにならないことは多々あると知っているわ」 「まぁ、確かにこの街で生半可なヤツは……」 蓮華は手のひらを庇にして、 大きな河原によって、隔てられた風ヶ夜旧市街地を眺め、 「あれだけ他の街と雰囲気が違うってのも珍しいな」 蓮華はそう言いながらに期待に心を震わせる。 それはつまり彼女は、本能的にこれからのことを楽しもうとしている。 惨殺を、殺し合いを、そして―――。 ゆかりは、そんな彼女を見ながら薄く微笑した。
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