始まりの歌

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「アイツが生きてるうちは、 2度とこんな場所に来ることはない思ってたんだけどね……」 「もしも、あなたが彼女と再び接触したら衝突は避けられないでしょうね。 でも、心配する必要は無いわ。 わたしがついているから」 「う、ウチは別に心配なんか……!」 わかりやすく狼狽える蓮華に対し、ゆかりは優しく言った。 「彼女は人よ。 言葉を解さない猛獣や、機械とは違う。 あなたがこの街に来た目的を話せば、彼女もきっと、過去のことは水に流してくれるわ」 蓮華はパーカーのポケットに手を突っ込み、唇を尖らせる。 「ふん、話が通じなかった時は、無理矢理にでも分からせてやるさ」 そう言いながら蓮華は―――H&K USPを握りしめ、 「ウチはもう、昔のウチじゃない。 今なら嗄乃マヤにだって負けやしないさ」 「勘違いしてもらっちゃあ困るわ。 わたしたちは喧嘩をするために来た訳じゃないの。 まずは話し合いが第一よ。 そこだけは忘れないようにしてね」 「ちっ、分かってるよ」
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