君へ。~From.R・T~

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「何かあるなら聞くぞ?ん?」 「・・・・・・」 「…彼女の事か?」 俯き、無言のままその言葉に頷いた。 「…俺はお前の事、良い男だと思ってるぞ?お前なら彼女にも良い相手だと思うんだけどなぁ」 信頼している先輩からの言葉は本当にありがたかった。でも、女々しい俺は一歩を踏み出せないまま。 「そういえば彼女、姿を見かけないんですけど、昼休みって…」 「あぁ、どうやら屋上で時間をつぶしてるらしいぞ」 「そうなんですか…」 やはり彼女は一人だったんだ。毎日毎日楽しくもない職場に来て、休憩時間すらずっと一人。聞いた俺のほうが泣きそうだった。 「ハァ…戻ります。ありがとうございました」 軽く会釈し、ドアノブに手を掛けかけたところで先輩から呼び止められた。 「なぁ、里市。何事も自分が歩み寄らないと進まないぞ?自分に自信を持て」 再度会釈して部屋を出た。
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