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“ゴト”
「ん?」
その包みは小さいにもかかわらず、ずしりと重みがあった。中身を見ると、クリアガラスの中心に白鳩が二羽彫られたペーパーウェイトだった。
取引先は文房具や雑貨を手掛けている会社で、よく新商品のサンプルをくれる。
「おぉ、綺麗に出来たんだ」
疲れもあってか、手にとってしばらく見とれていた。
クリアガラスなので、向こう側の明かりが乱反射して綺麗に見えた。その端に彼女のデスクも。
そして思い立ち、机上のメモ用紙に丁寧に書いた。
“ 僕はあなたが好きです。 ”
意図があるわけじゃないけど、名前は書かなかった。理由は自分でも良く分からない。でも、君に伝えたいと思った。
ペーパーウェイトと小さな紙切れを持って彼女の席へ。ペン立ての横にそれを残し、会社を後にした。
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