プロローグ

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――虚無感。 全てを終えた俺の中に残されたのは、虚無感だった。 そう、全てはもう終わったんだ。 何も気にせず、俺はこれから家に帰り、夕飯を食べ、風呂に入り、そして寝る。 元の俺の生活。 全ては元に戻ったんだ。 そう――彼女と出会うその前に。 これで間違えて無いはずだ。 これで良かったはずだ。 俺はもう限界だったんだ。 あの女との関係が続いていたら、今頃一体どうなっているかわからない。 そう、彼女はもう俺にとって他人だ。 だから、もういいじゃないか。 何も気にしなくていいじゃないか。 あの女がどうなろうと、俺にはもう関係無いじゃないか。 彼女はもう、他人なんだから。
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