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御坂美琴と佐天涙子は、第七学区のレストランJoseph'sの窓際の席に、向かい合って座っていた。
いつもならば、白井黒子や初春飾利を含めた四人で集まる事が多いのだが、白井と初春の二人は、風紀委員(ジャッジメント)と呼ばれる、学生で構成された学園都市の治安維持組織の仕事の真っ最中である。
そして、御坂は佐天の宿題の手伝いをしているのだ。
佐天の通う『柵川中学』は、学園都市の中では一般的な水準の学校である。しかし、レベル0の彼女にとっては課題の難易度が高い場合が多く、こうして御坂に手伝ってもらう事が度々あるのだ。
ちなみに御坂の通う学校は、学園都市でも五本の指に入る水準を誇る名門お嬢様学校の『常盤台中学』だ。
義務教育終了までに、世界に通用する人材を育成する理念に掲げるその学力は、佐天の通う柵川中学とは雲泥の差が存在している。
「いやー。御坂さんのおかげであっという間に終わりましたよ。ありがとうございます」
そんな名門校に通う御坂にとっては、佐天の課題を解く事など朝飯前だ。
「お礼と言っちゃなんですが、御坂さん今日って空いてます?」
「ごめん。今日は寮に戻ってレポートなんだ」
常盤台中学の学生寮は、様々なお嬢様学校の集まる街『学舎の園』の、内部と外部に二つ存在し、御坂や白井の寝泊まりする学生寮は、外部の寮である。
学舎の園外部の常盤台中学学生寮の寮管は、規律に大変厳しく、課題をすっぽかしたり門限を破ろうものならば、例え高位能力者であろうとも、容赦なく制裁を下す恐るべき存在なのだ。
「そうですか……実は昨日と今日は『天ノ川学園高校』の体験学習なんです」
「天ノ川学園高校って、確か先週外部から学園都市に移設された学校よね?」
「はい。何でも生徒の個性を尊重する自由な校風で、宇宙開発の人材育成に力を注いでる学校なんです」
「へぇ……何だか面白そうじゃない」
宇宙開発という、学園都市ではあまり聞き慣れない言葉に、御坂は何やら興味をそそられた様子。
「能力開発を受けた学園都市の学生に、宇宙の素晴らしさを知ってもらおうという事で開催されているんですよ。入場制限が無いから色んな学生が来てました」
場面は、佐天が先日行ってきた天ノ川学園高校の体験学習まで遡る。
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