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「いやぁ笑わせるねぇ! か弱い女の子を見捨てて逃げるなんて、今宵一番のお笑い草じゃないか!!」
学園都市の片隅に、キャンサー・ゾディアーツの笑い声が響き渡る。
護衛役であるはずの朔田流星は、あろう事か佐天涙子を放り出して一人逃げ出した。
彼女が何かを言う間もない出来事だった。
「さてと、聞いてると思うけど、アタシの甲羅は常盤台のビリビリ超能力者(レベル5)の必殺技も効かないよ」
佐天涙子はその場を動けない。目の前のキャンサー・ゾディアーツは、学園都市でも三番目の実力者を、いとも簡単に完封する強さを持っている。
そんな非常識で人間離れした相手から無傷で逃げおおせる事は、自力で能力を獲得するよりも難しいだろう。
「このまま何もしなければ、アンタは無力な人間のままアタシに切られちゃうよ。そんなアンタが生き延びる方法は、たった一つだけだ」
佐天涙子は、その方法に心当たりがある。
キャンサー・ゾディアーツも、恐らくそれを言おうとしただろう。
ドガァッ!! という轟音が、それを無理矢理中断させた。
「ッ!?」
最初は、御坂美琴が超電磁砲(レールガン)を撃ったか、如月弦太朗がマシンマッシグラーで突撃したのかと思った。
だが、それらの攻撃は、何かが地上に墜落したような衝撃を響かせるだろうか?
攻撃の着弾地点に、青、い、隕、石、の、よ、う、な、球、体、を、作、り、出、す、だ、ろ、う、か?
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