噺家の描く笑いのオチ Rakugo_of_Cancer.

23/44
161人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
 佐天涙子とキャンサー・ゾディアーツの間に割り込むように、まるで宇宙から落下してきた隕石のような、青い球体が光っている。  やがて光は形を失い、その中から一つの人影が姿を現した。  その人物の黒い体には、所々星のような光が散りばめられており、それらがプラネタリウムのようにカラフルな色彩を放っている。  天球のような物が中央に置かれ、その真上に横にスライドする小さなレバーと、右側にやや大きな青いレバーが取り付けられたドライバーが、腰の部分に装着されており、天球の左側に位置するソケットには、フォーゼのそれとは異なる、クリアブルーの見慣れないアストロスイッチが挿し込まれている。  宇宙を駆け巡る一筋の彗星のように、右肩から腰のドライバーにかけて斜めに伸びる、アストロスイッチと同じ色彩の青いプロテクターが、左右非対称な輪郭を表している。  そして、その顔は一言で言うと地上に向けて落下する隕石に似ていた。  薄紫色に光る目元を覆う青いマスクのような部分が、隕石の本体だとするならば、そこから左の頭頂部へ伸びる三対のアンテナが、隕石の残像に当たるのだろう。  改めて全体像を総括すると、青い光から現れた人物は、基本カラーが人工的な白で統一され、ロケットのデザインが取り入れられたフォーゼとは対称的に、無数の星が散りばめられたプラネタリウムのような黒い体、天球を思わせる腰のドライバー、彗星のような肩のプロテクター、隕石のような頭部など、宇宙や星に関する意匠が目立っていた。 「仮面ライダーメテオ」  突如として、ゾディアーツの暗躍する学園都市に現れた青い隕石のような人物、『仮面ライダーメテオ』は、右の親指で鼻を擦る仕種と共に自らに冠する名を名乗り、佐天涙子を守るべくキャンサー・ゾディアーツとの戦いを開始する。 「お前の運命(さだめ)は―――俺が決める」
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!