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「性懲りもなくやって来たねぇ。常盤台のビリビリ超電磁砲(レールガン)」
全身にバチバチと紫電を走らせながら、御坂美琴が戦場に立つ。
と同時に、マンホールの蓋や使用済の鉄骨などが、まるで意思を持つかのように佐天涙子の周りに寄り集まり、やがて周囲三六○度に鋼鉄のバリケードを構築した。
「その減らず口。相変わらずイラつかせるわね」
とてもお嬢様とは思えない口調で返し、非力な友人をゾディアーツの暴力から守る措置を施した所で、御坂は見慣れない人物の存在に気付いた。
「アンタ……仮面ライダー?」
顔全体を隙間無く覆い、素顔の判別ができない特徴的なマスク。体型に合わせてフィットしているであろう、バトルスーツのような体。腰に取り付けられた、ベルトと一体型のドライバーなど、フォーゼと共通する要素からの推測に基づいた問い。
仮面ライダーメテオだ、と隕石のような人物は簡潔に答える。
「仮面ライダーメテオねぇ……アンタの正体とかフォーゼとの関係とか、聞きたい事山積みだけどさ、とりあえず一つだけ答えてちょうだい」
沸き上がる疑問から成る数々の質問を飲み込み、
「アンタがあの蟹座野郎と戦う理由は?」
この状況における、最も適切な質問を少女は行う。
「お前と同じだ」
あまりにも簡略化されすぎた為に、一切の感情を感じさせない言葉で、仮面ライダーメテオは返答した。
だが、少女にとってはそれで充分だった。
「そう……んじゃ、早いとこ佐天さん連れてずらかるわよ。悔しいけど、アイツには私やアンタの攻撃効かないしね」
「驚いたな。超能力者(レベル5)というのは、隠しても隠しきれない人格破綻者の集まりと聞いていたが、勝ちにこだわらずに迷わず戦略的撤退を選択するなんてな」
「……、そこはかとなく馬鹿にしてるわねアンタ」
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