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そして、場面はファミレスの御坂と佐天に戻る。
「いきなり友達になろうねぇ……。ソイツ、かなり変わってるわね」
佐天が、先日の体験学習の様子を御坂に話して聞かせていたのだ。
御坂が最初に漏らした感想は、如月弦太朗と名乗る、リーゼントの学生の事だった。
「まあ、あそこは個性を尊重するので、変わった人が多いのが普通なんでしょうけどね」
御坂が次に興味を示したのは、
「それがはやぶさ君ストラップ?」
「はい、最初は変だなって思ったんですが、考えてみれば、私って御坂さんのゲコ太ストラップでキャラ物には見慣れていたんですよね」
佐天は、自分の携帯に付けたはやぶさ君ストラップを御坂に見せる。御坂の鞄にぶら下がる、ゲコ太ストラップと並べて見れば、中々ファンシーな眺めだ。
「中々いい線行ってるけど、やっぱりゲコ太には敵わないわね」
「あれ? やっぱり御坂さんゲコ太好きじゃないですかー」
「べっ、別に私は……」
基本的に御坂美琴は、キャラ物が好きという少女趣味を持っている。中でも、『ゲコ太』という名前の、カエルのキャラクターに目がない。
しかし、それを素直に表せないのは、気の強い彼女の性格故のものだろう。
そして、佐天のからかいから逃れるべく、御坂は他の話題を振った。
「そ、そういえば、佐天さんが他校の体験学習に行こうと思ったのって……」
「やっぱり分かりましたか」
御坂の質問の意味を理解した佐天は、それの返答を表すフレーズを口にする。
『いつもと違う新しい事に積極的にチャレンジすると良いでしょう』
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