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この破格の宣言をした彼のあだ名は『友情男』。天校の人間全員と友達になる目標を掲げ、友 達 の 為 な ら ど ん な 事 で も す る 男 だ。
そうは言うものの、学園都市の大半の学生は、能力開発によって通常の現実認識から切り離され、独自の感覚と認識を持っている。
そんな相手に、これまでの常識が通用するのか、という意味を込めて歌星賢吾は言う。
「しかし如月、学園都市の能力者は普通の人間とは脳の構造が異なっているのだが―――」
だが、その程度で弦太朗の決意は揺るがない。
「それを含めて受け入れてこそのダチだ!」
加えて、そんな学生の中でも上位に位置する能力者は、より一層我が強く一筋縄では行かない。
恐らく、それを理解していないであろう弦太朗に朔田流星は言う。
「その中でも『超能力者(レベル5)』と言われてる者は、能力者の中でも特に人格破綻者の集まりらしい―――」
しかし、友情男の決断は依然覆らない。
「上等だ! 気に入らねえ奴ほどダチにし甲斐があるんだ」
二人の忠告を豪快に受け流し、学園都市で待ち受ける新たな友情を前に、如月弦太朗は期待に胸を膨らませる。
「「……、」」
総人口二三○万人の八割に上る学生を含めた、学園都市の人間全員と友達になるという、友情男の規格違いの宣言に賢吾や流星は呆れて言葉を失う。
「頑張れ弦ちゃん! 応援してるぞよー」
しかし、そんな中でスペースシャトルの被り物を頭に被ったユウキだけが、一人乗り気なテンションで弦太朗を応援していた。
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