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「ちょっと皆早くしてよ!!あたし今日巻きなんだよ!?」
ピンク色基調で効果的に白色が使われる服を着た少女はこの辺りでは危険な生物を早く狩ろうとしていた。
焦りは技を見ても分かる。
敵を弱らせてからが本職の彼女にもかかわらず、早めから光の奔流を飛ばしていた。
パーティーは彼女の地位も地位なのでダメージを受けないかビクビクしていた。
敵はドラゴンの頭を三つにしたようなもの。そしてそれは数多くの人間の人生の最期の相手になっていた。
そんな強敵にもかかわらず、彼女を中心としたパーティーは全く乱れない。
上にさりげなく表示された『HP』が消滅すると、少女は転移アイテムという如何にもなゲームアイテムに手を伸ばす。そしてそれはこの界隈で狩りをするならひと月は買うのに必要な高級品。
「いや、ユイちゃんそれは………」
次の瞬間には彼女は跡形もなくなっていた。
…何故彼女が巻いていたのかというと、ある地方のレースのチケットを買っていたからだ。
なんとか間に合ったと彼女が安堵のため息を吐くと共にマシンのエンジンが息を吐く。
そんな中彼女に声をかけるひとりの男。
「ん？今日何か仕事でも入ってたのか？」
「ごめんごめん。いや今日は見なきゃね」
「ギルドとやらのお姫様がご所望の運転手ですね？」
男は彼女の言葉の真意をすぐつかみ、からかいを入れる。
「ちょっと!?そういうの無いからね!!」
「こんなすぐに反応するなんて…………」
「あっ、もぅー！」
赤面する少女。そして話はそのご所望の男の話に。
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