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「へっ?」
「……簡単に言わないでくれないか?」
そう呟き、僕は静かに彼らを睨む。
こんな奴等に感情を丸出しにして、何がしたいのかは分からない。だが、彼らは確実に僕の【覚悟】を侮辱した。
僕は少しだけ鞘が見えている棒を上段で構える。
「……っ!おい、やばくないか?」
「大丈夫だって。威張ってるけど、あいつは一士って言ってたしな。まだ訓練生から卒業したてのヒヨッコが、4人がかり相手に勝てるかよ!」
魔法を使える男が再び火の玉を放つと、それに触発されるように男達が向かってくる。
――まずは、あのナイフ使いだ。
正直、今は怒りが発作を抑えているけど限界があるだろう。なら、まず不確定要素を削るのが必要だ。
少しだけなら、耐えられる。
一歩。
彼らにはそう見えただろう。僕は足を動かし、二人の男の後ろから走っていたナイフの男の息使いが聞こえる場所まで接近する。
目を丸くする彼を他所にまずは左手の手刀で男の右手首を強打し、ナイフを落とす。そして右手に控えさせていた柄の先で、顎に向けて一気に突く。
強烈な柄のアッパーを決められた男はしばらく宙を舞い、レンガ道に背中から落ちる。
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