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「あっ……」
勢い余って前のめりに倒れ、彼女を押し倒してしまう。
間近で女性を見ることなんて久しぶりで、柔らかそうな肌がとてつもなく近くにある。鼻をくすぐるのは、彼女のシャンプーの匂い。
どかなければさらに罪が増すのに、僕の体はいうことを聞かず、緊張のあまりに固まってしまうのであった。
「……そろそろ、どいてもらってもいいかな?」
彼女の声を聞いた途端、我に返って後ろに向かって飛び去る。しかし、勢いのまま尻餅をついてしまい、腰が抜ける。
ここは彼女の部屋だとは思うが、なぜ僕はここにいて、ベッドで寝ていたのだろうか。
や、やっぱり意識がない内に彼女を襲ってしまったのか!?それならシャンプーの匂いがするのも頷けるし……
オドオドしていると、キョトンとしている彼女と目が合う。
これはやっぱり、あれをやるしかない!
「何をしてしまったかは存じませんが、すみませんでした!」
土下座。謝る活用最上級の技である。
これで許してもらえなかったら、もはやお先真っ暗闇だ。
恐る恐る顔をあげると、そこにあったのは修羅のような怒りの表情ではなく、笑いを堪えている感じの表情をした彼女がいた。
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