第一話

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 鬼狩―西国支部―  本部、東国支部に比べて魔法を使う隊員が多く、他支部からの支援要請を受けることが多い。  その要因の一つが、隊員の半数が【エルフ】だからだ。  エルフとは、武の部族【鬼】と対を成す智の部族で、生まれつき魔力が高い部族だ。特徴としては耳が尖っているところがある。  オーガウォーズ--それこそ鬼狩の発足の原因とされる。  オーガウォーズでは、人食い病と呼ばれる鬼が文字通り人を喰らう病が流行り、それに対抗するためにエルフと人間、二つの種族は結託し、連合軍を結束。これが鬼狩の起源なのだが、その戦争の最中に現れた人食い病の末路の姿--【悪鬼(あっき)】、今ではそれを迎撃する組織となる。  オーガウォーズは既に500年以上前に終結しているのだが、エルフと鬼は共に1000年以上生きる長寿の生命であり、オーガウォーズ経験者は現代でも鬼狩の三分の一以上を占めている。  長い間、悪鬼と戦い続けていく中、種族間としての争いも絶えずにいた。  オーガウォーズにて敗戦した鬼に対しての奴隷扱いするエルフや人間が現れ、それを開放するように求めるデモが行われている。  エルフと人間の間でさえ、真の勝利はどちらのものかなどと揉めている始末である。  オーガウォーズが続いた月日と同等の月日を得た今、彼らの意思の強さが求められていた--
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