第一話

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「昼飯食べて、支部に戻ろうかな」  どうでもいい独り言を呟きながら立ち上がると、少し長めな背伸びをしてから歩き出す。  少しジメジメとした暑さなのだが、森の中にいるせいか涼しく感じる。  時折小枝を踏み折りながら進むと、支部が駐在している街が見えてきた。街の通路や建物は白や橙色と明るいレンガに覆われており、西洋の雰囲気が漂っている。  ここはネーテレイス。西国支部がある街で、僕が生まれ育った街だ。  今日は何を食べようかと思ってあるいていると、ふと視界に数人の男達と一人の女性が入る。どうやら揉めているようだ。  花が多く飾ってあるところから、どうやら花屋のようで、店員らしき少女が二、三人の男達に説教をしているらしい。  野次馬に紛れて、それを眺めることにする。 「わざとでしょ?私はっきり見たんだから!」 「だから違ぇって言ってんだろ。しつこい女だな」 「そもそも、そんなところに花瓶なんか置いている奴が悪いだろ」 「この範囲は私達の店よ!あんた達が勝手に入ってあの花の花瓶を、わざと蹴ったんじゃない!」  どうやら、商品を蹴り飛ばした男に説教しているようだ。だが、僕には関係ない。鬼狩は悪鬼を狩る組織であって、正義の味方ではないから。ここは警備隊が来て事態を収集するだろう。
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