∮-始章-∮

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無闇に聞いても触れられたくなかったとしたら… 普段ならモラルなど欠片も持ち合わせていない彼女だが、レインの事となるとこの上なく慎重になってしまう 長く一緒にいた分、些細な事で離れてしまうかも知れないと思うと怖いのだ…どうしようもないほど どんなに弄っても離れないで一緒にいてくれたレイン…彼を失うのだけは避けたかった でも… やっぱり…知りたい…少しでも多くレインの事を…知りたい 客観的に見ればそれは恋をしているからという事なのだが 経験の少なさと二人の関係が相成ってフェリシア自身気付いていないのだ フェリシアが俯いたまま黙っていると 「疲れたならベンチで休む?まだ授業が終わるには早いし」 そう言うレインの顔は微笑んでいた。フェリシアの心中を察しているのだろうか 「……うん…そうね」 そして二人は並んでベンチに歩み寄りそのまま腰を下ろした
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