∮-始章-∮

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~校舎裏~ サボり場所に着いたフェリシア。気がつくとレインの姿が見えない 「あら?…ったくアイツはのろまなんだから…」 まぁいいかとため息を着いて近くにあるベンチに腰を下ろす 今日は日差しは強いものの風が心地よく、木陰にいると涼しくさえ感じる フェリシアはこの場所を気に入っている。誰とも関わらないでいられるから 別にクラスメイトが嫌いなわけではない。どちらかと言えば好き しかしフェリシアが気さくに話し掛けても家柄のせいか皆どこかよそよそしい いくら彼女が言っても人間なかなかすぐには変われない そんな微妙な空気の中にいると無性に疲れる。だからフェリシアはここで静かな時間を過ごすのを好んでいるのだ お嬢様らしく振る舞っていないのも自分も同じ人間なんだという事を示すために努力した結果だが 「…上手くいかないなぁ」 もう何度目かというため息をついた時 「おや?これはこれは麗しのフェリシア嬢ではないですか」 ふと誰かの声が聞こえてきた
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