幼い頃の考え事

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…気が付けば僕は独りぼっちだった。 「メイ様、御召し物の準備が完了致しました」 「…そう、アリガト」 「ボスが7時30分までに三階東南党書斎へ来るようにと仰っておりました」 「…解った。朝食は?」 「メインにフィレンツェ産最高級牛肉炙り肪を落としたステーキを御用意しております。他はいつものようにスコーン、本日の紅茶はダージリンを、レーズンのパウンドケーキも御用意させて戴きました」 「…今日はアップルティーの気分なんだけど」 「畏まりました。大至急用意致します」 「…薬」 「何時ものものを計26種既に整えております。他には、喘息の吸入器に糖尿病の注射器も御用意完了しております。こちらが水です。今回の水は日本のものを選ばせて戴きました」 「…そう。……吸入器は胸ポケットに仕舞っておいて。注射は…今日は、あんた」 「っ…畏まりました、失礼させて戴きます」 ……これが、僕の毎朝の会話だった。 朝6時丁度にファミリーの幹部候補8人が僕の部屋に入ってきて、僕の身辺の世話をしていた。 *
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