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「…えっと、どうなっているんでしょう?さっきまで自分の部屋に居たはずなんですけど…気付いたら此処に居たんです…よ?」
表情を変えず、真っ直ぐ見る此花先輩に思わず視線を下に反らした…ていうか!よく見たらワイシャツ一枚じゃないか…!
何故かワイシャツ一枚で色々ぎりぎり見え見えないの絶対ライン…!これを直視など出来るはずもない…!おれは反射的に謝った
「あ、あの…!なんかすみません…!!」
沈黙が場を支配する、何とも気まずい空気だ、どうしたものかと考えていると、この沈黙を破ったのは先輩の方だった
「…やっと、君に会えた」
「え…?」
此花先輩は倒れかかるようにして実斗に抱き着き、そのまま二人は倒れ込んだ
「ち、ちょっ!?どうかしたんですか先輩…!」
「ねぇ…?抱きしめて…?君の温もりを感じさせて…」
どこか切ない声で、此花先輩はおれの耳元で囁いた
ドキ…ドキ…!
心臓が跳びはねる、手に汗が滲み出る
マシュマロのような柔らかい感触花のように甘いにおい…
クラクラする…
「ねぇ…実斗……」
先輩は唇をおれに重ねようと迫ってきた……だめだ!考えるのをやめようとするな…!どう考えてもこんな展開有り得ない!どこぞのワンシーンだこれは!?
「此花先輩…じゃないな…!?先輩なら、おれを実斗クンって呼ぶはずだ…!」
確証はない、もしかしたらこの雰囲気だから君付けをしないだけかもしれない
とにかくこの状況をどうにかしなくちゃいけない…!
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