始まりの日

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 微睡みの中、誰かの気配を感じる。 「おーい、そんな所で寝てたら風邪引くよ?」  寝ているには少し眩しくて目を開けた。  不思議そうに顔を覗く茶色がかった短髪の女の子。 「ここ……は」 「うーん、見ての通り橋の下だね」  女の子の言う通り真上には橋、横を見れば綺麗な小川が流れてる。 「それより、君はなんでこんな所に寝てたの?」 「なんで……っ!」  頭に鈍い痛みを覚えて思わず押さえた。  黙った女の子が見定めるように全身を眺める。  改めて自分の服装を確認した。 赤い服はボロボロ、だけど体に傷は無い。  髪は驚くほどに真っ赤。 「よし、家においで! 私は白野 舞よろしくね!」  女の子はそう言うと手を引いて走り出した。
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