始まりの日

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 歩きながら服のポケットを探ると、紐が指にかかったから引っ張り出す。  名札、でもほとんど焼け焦げている。  読めたのは名前の欄の一と生年月日。 「やっぱり、君も私と同じ14歳だったんだね」 「……?」  首をかしげると、困ったような笑みを女の子が浮かべた。 「君は14歳ではじめ君……でいいのかな、何か思い出す事はある?」 「僕は……なにもわからない、ここがどこなのかも」  服の内側を調べると何か重い物が出てくる。 「これ……銃だよ、拳銃……君はなんでこんな物持ってるの?」 「……わからない」 「ほら仕舞って、もう行こう」  仕舞った途端背中を押された。
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