出会い

3/3
前へ
/927ページ
次へ
ほんとにかわいい…。つい間近でぽーっと見つめてしまった。 するとその子は長いまつげを揺らしながらパチパチと瞬きをし、あ!という顔になる。 「えっと、高橋皐月(さつき)ですっ。国文科だよっ。ひなちゃんは、何科?」 「あ、…えっと、英文科の、朝倉陽菜(ひな)です。」 慌てて答える。 「って、なんでいつまでも敬語なのっ?ひなちゃん、一年生でしょ?タメタメっ!。」 そういって小突かれる。よく考えたら、今の授業は一年生対象の必修科目だった。 「あ、そ、そーでしたかっ」慌てて答えたら、 「きゃははっ、また敬語っ!!」そう言って軽く体当りされた。 瞬間、ふわっと鼻をくすぐるラベンダーの香り。香水の臭いかな。 「よろしくねっ、ひなちゃん♪」 それが、皐月ちゃんとの出会いだった。
/927ページ

最初のコメントを投稿しよう!

230人が本棚に入れています
本棚に追加