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たとえば、自分の好きな子がフリーであったとしよう。
その場合、あなたはきっと何らかのアプローチをかけるはずだ。
それは、多くの人が当てはまると思う。
しかし、イケメンと呼ばれるたぐいの人が、同じく好きな人に攻勢をかけたらどうか。
そして、彼の方がより距離を縮めていたらどうか。
おそらく、自信のない人は諦めてしまうであろう。それは、彼我の戦力差を分析した結果であるといえる。
しかし、その分析は正確と言えるだろうか? 絶対に、劣勢の人は勝てないのであろうか?
そうではない、と歴史は答える。実際に世界の戦史をひも解くと、少数の軍勢が大軍をやぶった例は少なくない。
背水の陣で二十万の大軍を潰滅させた韓信。五万の軍団で、総勢三十万ものペルシア帝国を滅ぼしたアレクサンドロス。そして、桶狭間で十倍の敵に勝利した織田信長。
大軍であることは、かならずしも勝利につながるとは限らない。重ねて言えば、かのナポレオンの愛読した『孫子の兵法書』にも、「兵は多きを益とするにあらざるなり」と説いている。
これはなにも、戦争にかぎった話ではない。兵法の極意は、高校生の恋愛でもいえることなのである……
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