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「けど。それで良いのか?確かに、あいつは……ダンス技術は凄い。俺達だって、あいつの教えで技術を学んで来た。ちょっと前の町の祭りでダンスを披露した時、観客に喜んでもらって、拍手をもらって、嬉しかったよな?」
仲間達は、強く頷く。その表情はその時のことを思い出しているように、輝いていた。
「あれは、私がダンスを披露する事を掛け合って来たからでしょ!それに、あんた達、ミスばかりしていたじゃないの!私の足を引っ張って」
この言葉に、男子生徒が素早く振り返り、睨み付ける。
「お前、黙っとけよ。今は、俺達部活仲間の話し合いなんだよ」
部活仲間の話し合い。それを黙っとけ。馬鹿か空気の読めない鈍い者でも無い限り、言っている意味は解るはず。
お前は、部活仲間じゃない。
意味する事が解ったのか、七海の眉間に皺が寄る。しかし、何も言わないのは、男子生徒の話が気になるからか。
「それに!掛け合って来たのは、お前だけじゃない。部長と、顧問も一緒だったはずだ。むしろ、顧問が、お前に言われて祭りの実行委員に掛け合ったんだろう。威張るな」
ムッとした七海。
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