軋む先

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 「何よ。誰に向かって言っているつもり!?私が居なければ、大会にも出られないって言ってるんじゃないの!」  もう男子生徒は七海を振り返りもしないで、話を続ける。  「でもさ、俺達、それで良いのか?あいつに言われっぱなしで。あいつを女王気取りにさせておいて。違うだろ?」  仲間達は顔を見合せてから、男子生徒に力強く頷く。  「俺達は、あいつのゲボクじゃない。あいつの言うことばかり聞いていく必要は無い。……笑顔さえ、楽しいって気持ちさえ、失ってまで、大会を目指したいか?悪いが、俺はそこまでして大会に出たくない」  そこで男子生徒は言葉を切り、ひと呼吸置いて言った。  「俺は、大会を諦める。それよりももっと大切な事があるから。もし、もしも俺と同じ気持ちがあるなら、この部を辞めよう。あいつの言うことばかり聞いても、大会に出たいなら、あいつについて行けばいい。俺は、1人でも、辞める」  それだけ言うと、男子生徒が去って行った。七海は、鼻を鳴らしてから部活仲間達を見た。
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