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それきり黙ってしまった郁馬先輩の後ろをとぼとぼと歩く。
俺、なんか悪いこと言っちゃったかな?
き、気まずい・・・
職員室につくと、郁馬先輩が俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「神奈、俺はもう行くけど、これからよろしくな。俺、神奈が来てくれるのずーっと待ってたんだ。ずーっとずーっと会いたくて夢見てたんだ。だから、神奈が来てくれて本当に嬉しい。」
郁馬先輩の言葉の意味が理解できなくて首をかしげる。
俺を待ってたってどういうことだ?
俺に会いたくて夢見るってワケわからない。
俺は真っ白になる頭をフル回転させ、とりあえずペコリと頭をさげた。
「え、えと、あ、ありがとう、ございます?」
俺の言葉に郁馬先輩は満足げに頷き、じゃーなーと手を振りながら爽やかに去っていった。
郁馬先輩が見えなくなると、俺は職員室のドアを開いた。
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