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猫は白猫に何と声をかけて良いのかわからず、途方に暮れるばかりでした。
兄妹のように慕い合っているのに、こんな時に力になってあげられないなんて。
猫は自分を情けなく思いました。
自分とソックリな、あの黒猫を追いかけて行きたい気持ちでいっぱいでしたが、それもできませんでした。
猫が俯いていると、やがて白猫がナキました。
猫はびっくりして、出窓を見ると白猫はこちらを見ていました。
その表情に翳りは無く、とても優しい笑顔のようにも見えました。
やはり、この白猫は強かったのです。
そして、もう一度だけ猫に挨拶をするとカーテンの向こうへ行ってしまいました。
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