5人が本棚に入れています
本棚に追加
見送った後、男子の列にレインは並んだ。
さっきの腕に残る感触を思い出し、また顔を真っ赤にしたが首を横に振って忘れる努力をしたが逆に頭の中がそれで一杯になり、それからの授業はあまり身が入らなかった。
年々、激しくなるカナのアタックを恥ずかしく困ると感じる一方で、ずっと一緒に居られたら良いのにと嬉しくなる自分も居る。
異なるが同じ気持ちに悩まされながらも時間はただ過ぎていく、二人の仲が未だに発展しないのはレイン自身に勇気が無く、言ったらこの関係が崩れるのではないかと思ってしまうからだ。
このまま、今と同じに居ては駄目だと思っている自分もいる。
一方、カナはいつまでも振り返ってくれない事に本当は興味が無いんじゃないかと心配になったりもするが、それでも自分らしく全てを好きになって欲しいからという意図もあった。
お互いにお互いのそれに気づくのはまだ先で、そんな二人の別れの時が刻一刻と忍び足で近づいてきていることにまだ誰も気付く者などいなかった。
運命を変える何かが近づいていることに……
最初のコメントを投稿しよう!