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最後の授業が終わり、教室から人がいなくなっていく頃、レインは帰り支度をして帰路に着こうとしていた。
教室からいざ出ていこうとドアに手を掛けると同時に力を入れていないのに扉が開き、目の前には息を切らしているカナが片手を膝に手を着きながら立っていた。
「よ、よかった……まだ帰ってなかった。はぁはぁ、い、一緒に、帰ろ?」
肩で息をするカナに少し驚いた後、苦笑してわかったと首を縦に振り、横を通りすぎていくカナに着いていき支度をするのを待った。
「そういえば、こんな時間まで何してたの?」
数分が経ち、支度を終えるカナと外に出て他愛の無い話をして歩いた。
二人の住む村はこれといった広さがないので学舎から家までの距離は、どんなに離れてる家にいても十数分未満で往復が出来てしまう。
ただ、その間の時間をレインは大切にしていた。
楽しいその時間を大切にしていた。
「レインの将来の夢、考古学者になることだっけ?」
家の前の木陰まで着くと不意にそうカナが言った。
「うん、いろいろな謎が残ってる物を解き明かしてみたいんだ」
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