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「魔王って呼ばれてる存在とか?」
「あと倒した人物についてとか、それ以外にも世界にいろんな謎があるし、いろんな時代がある。全部知りたいんだ」
二百年前、魔王は倒された……そう歴史書には記されているが、誰が、いつ、どんな風にという事についての記載は無く、痕跡も何も見つかることは謎のまま時代たけが変わっていった。
だからこそ、懸賞金を掛けている資産家や金目的の考古学者などもいるが、レインは純粋に謎を全て解き明かし探求したいと思う気持ちから考古学者になりたいと願っていた。
自分のいる今現在と過去にどんなことがあって、どう伝えられているのか、剣術を学ぶことと同じ魅力をそこに彼は感じることが出来た。
目を輝かせながら話し続けるレインに何か閃いたようにカナは含み笑いをしつつ、顔を覗き込んだ。
「でも、それってずっと一人で探すんでしょ? 寂しくない?」
「? 確かにそうかもしれないけど他にも同じことを調べてる人はい……」
「違う違うっ! ずっと結婚もしないでってこと」
言葉を遮って言う相手の意図が解らず、首を傾げているとカナは顔を頭から疑問符を浮かべているレインの耳に近付けると周りに聞こえない程度の小声で囁いた。
「私がずっと側に居てあげようか?」
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