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言ってから気付いたように段々と声のトーンが低くなり、表情も暗くなっていき最後には「私、女なのにレインより……」と小声で呟き始めたのでレインはそんなカナを宥めた。
「いや、ほらっ、まだ15なんだから……それにカナはすっごく綺麗だよ?」
「本当?」
首を縦に振ると、カナは瞬時に表情が笑顔で明るくなり、そのまま抱き着く手に入る力を強めた。
元々、押し倒される形の姿勢だったので竹刀を自由に振り回せても比較的他の男より力が無いレインにはツラく、カナの肩を軽くだが早く何回も何回も叩きギブアップの意を示したが、やり始めてから2、3分経つまで気付いてはもらえなかった。
やっと気付いてレインを解放した時には、既に気絶寸前だった。
身体が解放された事を認識して咳き込みながら身体を上げ、レインは自分の今まで相手が体重をかけていた胸を押さえて深く息をついた。
「ごめんね」
「あと少し遅かったら危なかった……そういえば」
息を吐きながら、ちょっとした違和感に気付き、首を傾げてそれをカナに言った。
「カナより早く出たはずなのに追い越されたって気が付かなかったんだけど?」
「あ~……それはね~……」
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