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その気持ちを知らずにカナは離れずにレインの隣にいつも居る。
そんな二人の仲は生徒全員、果てはお互いの両親にすら認可されており、二人の間に割り込んでこようとする者は居なかった。
「もう付き合っちゃえよ二人とも」
「ん~、私はいっそ結婚したいかな?」
「えっ、カ、カナ……?」
「結婚しちゃう?」
生徒の一人に言われ、そう返すとしどろもどろしているレインに言ってその腕を強く掴んだ。
顔を真っ赤にしながら動けずにいる少し経つと、真っ赤なままカナから腕を離そうとするが腕をカナが絡ませ始めたので離れられなくなり、同時に顔から湯気が立ち上り更に赤くなってしまった。
楽しげにそれを見て笑いながら体を寄せて腕にギュッと力を入れた。
周りは囃し立てそれをからかっていたが、始業の鐘が鳴り響き、教師が入ってきたことですぐに静かになった。
「じゃあ、後でね」
「身体が持たない……よ」
「えーっ?」
冗談っぽく笑いながら言って、少女は列を作り始めた女子達の方へと消えていった。
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