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むかしむかし、こんなところに、ミチルという女の子がおりました。二十歳、オトメ盛りのミチルは恋をしています。
それはそれは重たい恋を……。とうとう、ミチルの体重は人生のピークを迎えておりました。
「チルー!チルー!聞いて!!!」
ミチルの従弟のチルは、なにも聞きたくありませんでした。
「やだ」
そう言って、ミチルからの糸電話を切ってしまいます。
「なんで出てくれないの?!」チルの部屋へ乗り込み、ベッドを占領したミチルは不満気です。部屋に乗り込まれ、ベッドを占領されたチルはもっと不満気です。
「だってどうせまたあのイヤな男の話だろ!?それに、隣の部屋なのに、わざわざ糸電話で話す意味がワカラナイ!」
「だってホラ、電話じゃないと話せないことってあるじゃない?」
「電話じゃなくても話すくせに……」
チルのつっこみには答えずに、ミチルは自分の部屋から持参した食パンをかじりながら、話しはじめました。
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