†業†

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  ――第5階層。セキルの邸宅。 ロアの目的が果たされしだい、 ロアを迎えに行くと言う クロアから、 翌朝までの時間をかけて 全ての真相を聞いた ディフェル、セキル、 フィリルは 「兄上らしいなぁ…。」 ぽつりと上がったセキルの呟き。 次いで 「…主犯を許すつもりだとは思っていたが……許した上で“罪状を消す。”つもりで動いていたのか!!あの…馬鹿がッ!!」 ディフェルの 呆れた怒りを含む声が上がり、 「俺…犯人を誘きだして、許すだけかと思ってた…。」 フィリルの酷く落ち込んだ 声が流れる。 「“元老院長”四位様であれば、ロア様が【聖主様暗殺未遂事件】の罪状を被り捕らえらる事を良しとせず、自らがロア様を救い出されると確信しておいででした。」 話しの内容が誰にも分からず、 知られない場所で 全ての事実を明白に伝え、 四位を赦し、説得する為の 計略を立てていたロア。 「倒れたのも、四位が連れ去りやすい状況を作る為か?」 「はい。」 自分の意志では 簡単に神殿から出られないロア。 四位を赦す為の行動として 自らが罪を被り 苦痛を負う事さえ厭わない考え。  
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