346人が本棚に入れています
本棚に追加
――第5階層。セキルの邸宅。
ロアの目的が果たされしだい、
ロアを迎えに行くと言う
クロアから、
翌朝までの時間をかけて
全ての真相を聞いた
ディフェル、セキル、
フィリルは
「兄上らしいなぁ…。」
ぽつりと上がったセキルの呟き。
次いで
「…主犯を許すつもりだとは思っていたが……許した上で“罪状を消す。”つもりで動いていたのか!!あの…馬鹿がッ!!」
ディフェルの
呆れた怒りを含む声が上がり、
「俺…犯人を誘きだして、許すだけかと思ってた…。」
フィリルの酷く落ち込んだ
声が流れる。
「“元老院長”四位様であれば、ロア様が【聖主様暗殺未遂事件】の罪状を被り捕らえらる事を良しとせず、自らがロア様を救い出されると確信しておいででした。」
話しの内容が誰にも分からず、
知られない場所で
全ての事実を明白に伝え、
四位を赦し、説得する為の
計略を立てていたロア。
「倒れたのも、四位が連れ去りやすい状況を作る為か?」
「はい。」
自分の意志では
簡単に神殿から出られないロア。
四位を赦す為の行動として
自らが罪を被り
苦痛を負う事さえ厭わない考え。
最初のコメントを投稿しよう!