†業†

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  ただ一人の天族を救う為だけに 皆を信じ、動いたロア。 「…で、迎えに行くのは何時だ?」 その心を汲む ディフェルの一言に、 「これから向かいます。」 クロアはロアが既に 目覚めている事を確信して 応える。 「ならば、俺も行く。」 ロアを迎えに向かうクロアに 同行を告げるディフェル。 「なら、私も行こう。」 それまで ずっと口を挟まず 話を聴いていただけの レティスまでが名乗りを挙げ、 「私は此処で兄上の願いが叶うのを願い待っています。」 セキル一人が その場に残る事を告げた。 そんな中で レティスが、 「四位殿は本当に説得されてくれると思うか?」 そっとディフェルに呟く一言。 「……………分からん。」 ディフェルは端的に応え、 「その為にも俺達が着いて行くのだろう。」 同行の意図を呟いた。 そして、その呟きは…。 『ロア様は大丈夫なのか……?』 他者との交流を 知らないロアの姿を知る フィリルの胸の中にもあり、 「……………………。」 無言でロアの元へ向かう クロアの胸には、 『……………………。』 一つの心しかなかった。  
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